02/20/*11 氷の世界

さぁ、登ってみましょう、とガイドの人にうながされて氷の壁の前に立つ、両手には憧れのアイスアックス。足元は5年前にパリで買ったブーツ(5年間、新品のまま)に、これまた憧れの12本爪のアイゼンを装着。憧れのギアたちはガイドの人から借りたので自前はウェアを除くと新古品のブーツとハーネスだけ。勢い込んで出掛けたアウトドアショップのクライミング用品売り場の棚の前で何を買っていいのか判らずに退散した経験が数回ある。

そして今、夢に迄見たアイスクライミングが体験出来る.....氷壁の前で始める前から興奮して、まだ何もしてないうちからゼィゼィ息使いだけは荒い。

生まれて初めての一本目はボルダリングの調子でつい、力任せに訳もわからず力みまくって途中で落ちた....落ちた後は本格的にゼィゼィ言っている。ビレイのやり方,スクリューの打ち方トラバース(横移動)などの講習を受けながら2日間で何本登っただろうか?最後まで、力任せは治らず、講師役のガイドの人がいう"より洗練されたスタイルで登る事を心掛ける"という言葉の意味が氷壁の下で模範演技見てる時は判
ったような気になっているんだけど、自分の番になりしかも氷壁の2/3より高いところまで登ったあたりには落ちたくない一心で腕相撲大会の時のような馬鹿力を出しまくって、順序もスタイルも合理性も吹っ飛び頭の中は真っ白、向こうのお山も真っ白。次出すのが右足なのか左なのかもわからなくなってくる。全ての講習が終了するころには腕の筋肉がパンパンで字を書こうとすると震えて書けない有様になっていた。

"より洗練されたスタイル"=合理的な だろうか?
かなり遠い世界.......。

ガイドの人の装備や他の受講者の人の装備など様々なタイプの道具を沢山見たりや使わせてもらったお陰でどんなギアを買えばいいのかはわかったけど、今買いに走っても氷のシーズンはそろそろ終了真直近、来シーズン直前に買えばいいのか?とにかく、今冬中にもう1回借り物でやってみよう。

ウーッ、イテテテテェ 腕の筋肉..........。

(小林)

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