時は21世紀になったばかりのパリ・バスティーユ付近。投宿中のホテルから出て地下鉄に乗る駅までの途中に小さな靴屋があった、奥では修理までやってる登山靴屋。
ウインドウの隅っこにディスプレーされていた靴がこのブーツ1号。
店にあったただ一つの在庫がこれ。ブランドはガリビエール、モデル名は不明。当時は山登り何てヤル予定は全くナシ。でもカッコイイとノボセて購入。ホント言うとワンサイズデカい.........そして幅が決定的に狭い、くそうヨーロッパ人め。まぁ幅が合ってなくても履いて出掛けないから問題はなかった。
そして10年が経ち2011年の冬。10年間履いた事が無かったこのブーツ1号はアイスクライミングを始めるにあたり遂に本来有るべき場所に引きずり出され数回のクライミングを経ての2年間。幅はキツくてイタいままだったけど誰も履いてなかった型だったから内心、自慢だったこの1号も先日、かかと部分がアイゼンの装着圧で剥がれてしまった。
パリのバスティーユの靴屋のウインドウから突然ドゴール空港経由で東京の中目黒まで来て、長野の山奥で本来の任務遂行中に壊れたブーツ1号、悔いの無い一生だっただろうか?話しかけてももちろん答えはない。
そして颯爽とブーツ2号登場、今度はイタリア産。
去年のアイスクライミング講習会で長岡ガイドが履いていたフルカバードされた靴を真似してみた。サイズフィットもいい感じ。幅も今度のは随分違う、快適。1号のようなオシャレさんではないけど実用本意だとコレに、とりあえず。
しかし、凄いデザインだけど軽いなぁ。
この軽さの違いは10年間の進化でもあるか。足首の自由度は比べようも無いほど楽チンでクライミングも旨くなったようにすら思えるほど。
子豚ちゃんの足先にも見えるがまぁいい。
先日、中断したウラヤマの滝の神秘は
この靴で解かれてしまうのか?
山の神秘、危うし。
(小林)
追記
明け方マイナス18℃
農道はスケートリンク並の全面凍結