今回の山行きは展示会で使う原稿を頂くという重要な案件アリ。薪製作の合間の仕事というより仕事の合間に薪作りというか....まぁ、そんな事はどうでもよろしい。
東京では桜の葉が出始めて、街に並ぶケヤキやイチョウも顔を出したての若葉がとてもキレイな若草色に光っている。山もこの週末より春な気温になったらしく、畑には早々とトラクターが畑を均し始め総出動している。でも、まだ東京のような樹々の若草色は此処では気配もなし...。
でも、今年は川上村の人々の動きが目立って活発だ。そう、この震災で双璧をなしていた茨城のレタスや岩手の高原野菜など東京の市場で供給が減る事が確実なので生産者も相当の気合いで臨んでいる様。
そんな今年に掛ける川上のレタス生産者の人々の熱気の前では申し訳ない様なテキトーな作業をやりに今週も来た。
冒頭で書いたとおり、今回は川上村に棲む田渕義雄さんに展示会の招待状に詩を書いてもらいたいと厚かましくも申し出て、快諾してもらった一遍の詩をもらえる。マウンテン・リサーチを始める時から思い続けていた事なんだ、田渕さんの詩で始まる新しいマウンテンのシーズン、いいじゃあない。僕らも5年ほど前に田渕さんの語る物語を読んで勝手に妄想を膨らませてここまで誘い出された。ファッションという"場所の感覚"とは対極の世界から固定した場所から紡がれる物語を見る為に。
そんな具合に実はマウンテン・リサーチの始めは田渕義雄が語る世界に思いを馳せてスタートした、だから僕らの招待状にはいつか田渕さんに書いてもらいたかったんだ。今回、念願叶って書いてもらった物語で僕らのように誰か一人でも森や山へ誘い出されるといいと思って.......。
これでマウンテン・リサーチのフォーメーションとしてはこれで初めて当初、目論んでいた形が出来上がる、2006年の春に想像していたように............。
クドいけど、もう一度スタートし直しで歩き出せる。
なんだか、忘れた水筒を取りに戻ったみたいな感じ。
行ったり、来たり.............。
(小林)