ねぇ、ちょっと無理なんじゃあ ない?
どう見たって身体の1/3は、はみ出してる......。
朝6時ころ、デッキに出たウチの犬、宮(goo)は1人で勝手に、出しっ放しにしていたカーミットチェアに乗って身体を丸めて、この姿勢に。どうして、乗れると思ったのか?この椅子、買ってから2〜3年経つのに始めて乗ってるところを目撃できた、笑える。先端の曲木を前方に出すと、すこし居心地が改善したらしく、嬉しそう。
この犬はこの後、GPS装着して一人散歩に出掛けて行った................。
GPSの画面見ていたカミさんが、ねぇ凄い勢いで走り出したけど、大丈夫かな と。
犬は走って当たり前と、テキトーにイナしてると300m程先にある沢から、もの凄い犬の吠える声。ヤバい、夫婦で目を見合わせるが早いか、長いレーキを持ったまま、沢の声がしている方向へ全力疾走というかゴム長でバタバタ走る。雨上がりの泥路を犬の名前を叫びながら、一体この先で何が起こっているんだと、足も回るが頭もグルグル回る。沢の上部に辿り着き、樹々の枝の向こうに白い毛が見えた、吠える相手はベージュの川上犬?いや違う、白い尻が見えた、鹿だ!宮(goo)が、村と山を隔てる鹿柵に、若い鹿を追いつめ、吠えながら自分の場所を飼い主に知らせ
ていたんだな。
鹿柵沿いを左右に逃げる鹿を鼻先に回り込んでその場に留める、猟犬の仕業。
止めさせようと犬の名前を怒鳴りながら、やっと追いつく事ができた、前足を痛めて進退窮まった鹿を、今度は凄い噛み付き方で攻撃を止めない。やっと、首輪を掴んで、鹿から引き離すが、鹿も柵に後ろ足が絡まって動けなくなっている。オリャア、テメェ〜な感じで強興奮状態の犬を繋いで、うずくまる鹿の足を何とか柵から抜いて立ち上がらせようとするけど、左前足を痛めてるから、すぐには動かない。竿立ちになって息巻く宮(goo)を押さえつけ見ていたら、ビッコを引きながらも、なんとかその場を鹿は逃げ去って行った。
そこへ、あとから駆けつけたカミさん。
タチの悪い暴力団員それも鉄砲玉タイプの飼い犬の表情にややビックリした顔付のカミさん。夫婦とも息が上がって、今、目撃したばかりの野生の事件のディティールを喋り合いたいんだけどダメだ、はぁはぁ言ってばっかで、まったく喋れない。
あの鹿には、大変すまない事をしたけど、あの足でこの先、自然界で生きて行けるのか?本来は鹿たちの領域なのに、東京から来た外来種が我が物顔ですまないね。
狩りもした事がないのに、一体誰から教わるのか一度も猟に出した事が無いのに、沢に追いつめて吠えて飼い主を呼ぶ。猟犬としては、満点。不思議といえば不思議。マニュアルが遺伝子の中に刷り込まれているんだろうか?だとすると"人は女や男に生まれるのではなく、女や男になって行くのだ という実存主義のセオリーは猟犬には通じないって事か?今、目撃した一部始終は実存主義者にはすまないけど、生まれつき猟犬としか感心のしようが無い。
朝、一人で小さい椅子に乗ってハミ出してる情けない犬と、恐ろしい形相で牙を剥き出す猟犬の本性が白い毛で一緒に包まれている、面白い。10万円ポッキリだったのにお買い得だったな、宮。
さて、その後 鹿に山ほど付いていたであろうダニが宮(goo)からも飼い主の身体からも続々と発見され、山から持ち帰った物や車の徹底的なダニ退治に忙殺され、この休みはさっさと終わる。
(小林)
追記
薪棚に薪を全量格納終了。