05/13/*12 朝5時日の出 2℃

ウラヤマでタラノメ狩り。
朝一でタラフク食べた、タラノメの天ぷら。
収穫の興奮で喋り合いながら開けてしまった朝のビール一杯。

その日はずーっと調子の出ないまま.....。

アルコホリックなカミさんは朝一のビールが興奮剤として利いたようで、その日ずーっと働き詰め。中枢神経に利く物質は呑む人が変わると効果もいろいろ。

対してこちらは、まったく調子がでない。
風邪気味でもなけりゃ、疲れている訳でもない。
だがしかし、どうにもこうにも身体が動かない。
積極的に考える脳のパートに血流ゼロ。
犬と一緒にぐだぐだしているだけ。
朝のビールと引き換えにヤル気がどこかへ出掛けてしまっている。

しかし森はちょうどこの時期あたりから魔法が掛かり始めている。いい天気、いい光線。先週から色付きはじめたカラマツの若草色がキレイ。そして今週、目の前の山一面の白樺の先端から若葉が出始めた。その薄い若葉を透過した若草色の光で場内も満たされている、キレイだな...。風のそよそよ感と湿度、温度がうまい具合に
ブレンドされた、ほぼ極楽 。

そんな始まったばかりの極楽のハナシは置いといて決めた事がある、重大な景色に関わる重大な決定。

随分と迷ったけどおよそ3年の間、どうするべきか夫婦でよ〜く話し合った、土地の先輩にも相談した。

作る事に決めたのは"鹿柵"

芽が出る嬉しさから、食べられてしまうのを頭のどこかでは判っているのに苗やタネを4年間、毎年植えたり蒔いたり.....。そんな植樹した幼木たちも新芽を食べられて枯れた。それでも、3年間もアーでもないコーでもないとつまり、柵に囲われて暮す為に、こんな山ん中まで来てるんじゃない。もとより鹿たちの土地だったところに自分らが後から入って来たんだ。なぜ、柵で自分たちだけの土地だと主張しなきゃならない。山にはお邪魔しに来ているのであって、柵で囲って自分の土地を宣言するためじゃあない......。

と、こんな具合に夫婦共に揺れた3年間。

その間にも次々と植えた樹は枯れ、盛り土した場所は駆け上がる鹿の足跡でデコボコ。そして、どこもかしこも正露丸のような糞だらけ。鹿が居るから鹿を狙ってダニも居る、糞とダニが怖くて気楽に地面に座れない。そして、鹿を追いかけて行ってしまうので犬も繋いだまま放せない.......。

作ろう、柵を。 決めた。

材料は冬の間に間伐した大量のカラマツの劣勢木を使って。
デッキもカラマツの間伐材100%だったんだからこの際カラマツ・オールスター仕様で行こう、ここ秩父山塊はカラマツのふる里だから、必然性もバッチリ。自分で作ると、来年のハナシになってしまうので、ここはプロに頼む事にして、なんとか新芽の出て来る、今シーズン中に出来るといい。デザインと材料を自分でやって、後はプロの技で実現してもらう事に決めた。

これで、鹿が自由に走り回っていた場所が、犬が自由に走り回る場所になる。そして、花も咲き、樹も茂り、なによりも食べるものを作れる。直しても直してもデコボコにされる事もない法面(削った斜面の事)

柵に囲われれば、毎年花が咲く、輝く土地が手に入るのか?

3年間、問答を続けた景色と答えは、秋にいずれもハッキリする。

(小林)

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