06/26/*22 改修工事はじまる。

ある朝、職人たちが来て足場を組み始めた。改修工事が始まった。

この建物全体は村内の間伐材で出来ているのだが痩せて隙間だらけになったので外壁にもう一層板を張ってもらう、その外壁工事の為の足場が組まれた。工事のついでにキッチン棟内部の天井と床板も痩せてスカスカになって来たので詰めて張り直してもらう事にした、15年間夫婦でアリのようにせっせと運び込んだ物を仕分けしてから10m先の道具小屋まで運んで、キッチン棟から工事の間疎開させる事が今回の必須事項。

小屋があるとは言え、此処の基本コンセプトはキャンプなので椅子や小テーブル2人掛けの椅子も、この施設にある物は基本、畳んで持ち運べる軽量の物ばかり,食卓と薪ストーブだけは例外で重たい。
そう言った物を畳んで移動して、その他の細かいものを仕分けしながらカゴなどに入れ分け、道具小屋へと移動を繰り返す、カミさんと2人でゆっくり2日間を掛けて完了。

山には魔法がかかっていると山通いを始めた頃からこのブログで書いているが、こうして空っぽになったキッチン棟内部をボーっと見ていて気が付いた。飼い犬を連れてカミさんと通い出したこの山も、その著書をもって誘われた田渕義雄さんが亡くなり山暮らしをする為のクマよけ番犬として飼った犬も死んでしまい、施設全体もくたびれて隙間風が吹くようになり、階段も遂に腐って一段落ちた...。
こうした身辺や自身の身体的変化を考えてみるとやりたい事と遂行できる体力を持って挑んだ山暮らし実験の冒険旅行はひと段落したんだな と思った。正にこれまで魔法にかかっていたようだ驚き,興奮,落胆の連続で気がついたら15年が経っていた、そんな魔法。

この改修工事は老朽化のために決めた工事だけど丁度イイ潮時だったかもなと思った。いつまでも飼い犬の不在にじわっ〜としてばかりいてはいけない。どんな事も区切りは自分でつけるのがアナルコ・マウンテニアーの信条。

今までの週末だけの山通いでは、まだ見ていない此処の景色がある。よく知った場所での未だ知らない景色や色や匂い.........。
そんなこの土地暮らしてなければ見る事が出来ない山の魔法にちょっとでも触れることができるように。

分かったような気になっている景色の更に向こうにきっと何かがあるハズ。

あるんだよな?  えっ、無いかも? 必ずある訳じゃ無いんだ?
 
それ、早く言ってよ。

............. 。 (小林)

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