"続、森と格闘編"
間伐された樹が辺り一面に転がってる。マキを外から持ち込まずに、目の前の数えきれないほどの樹たちがここでの燃料になる。焚き火もお湯も調理もマキでやりたい、でも現実その為にどういう作業が待っているかも知らずに希望だけはハッキリしてるから、しなきゃならない作業が見えてくると凹む。
ここは斜面に対して横に細長い土地。
平べったい場所は一カ所も無い土地。
斜面一面にころがる伐採された木、樹。
およそ1mちょっとに伐られた樹を傾斜の下の方に降ろしてから数カ所に集めはじめた。まずは白樺中心に担いで斜面を降ろす事に。集めるのを白樺からにしたのは白樺だけは比較的軽かったから。しかし、ここは白樺の群生林だから3割り間引いた間伐でも伐られた白樺の量はもの凄い量に見える。担いで降ろしても降ろしても振り返って斜面を見るとまったく減っているように見えないし白樺が終わったら、白樺の倍くらい重たいナラやクリが待ってる。見上げてみると少し風通しがよくなったような気がする森はよくみると今迄暗かった森の奥の方はツタがどの樹にもカラんで複雑な状況になっている、ナタでツタの根元を切ってから3週間くらい放って置くとすこし枯れてベリベリとはがし易い、丸太運びに飽きるとツル退治して樹に助けた恩を売りながら、また丸太運び。
プレスの石井くんに毎週、手伝ってもらいながら(男2名がかり)すでに何週通っているだろうか?まだ、しかし白樺パートは終わらない。朝から夕方までただひたすら担いで降ろす斜面をまた上がって担いで降ろす。
腿の筋肉が悲鳴をあげ、1500mの高地だからかハアハアとすぐ息が上がる。
毎週、神輿を担いでいるような肩の擦れとシコリ。作業もやり馴れてないから無駄な動きも沢山あったんだろうけど、これまでちゃんと肉体労働をした事がなかった人生だけになんだか異様に密度の高い充実感を経験して毎週末、興奮状態で作業し
ていた。
毎回ヘコたれてたけど回数を重ねるごとに体が馴れてくる事がわかる。
極寒期にもかかわらず週一回、全身の水分を総入れ替えしている様な量の汗をかけるだけでも得したような、今迄の怠惰な生活で溜まった毒を出せて嬉しいような、根拠の無い長生き人生への期待と予感がこころを満たして行く.....。
勝手に満たされたり、疲れたりしながら厳冬期が過ぎそして、山の遅い春になった。6月になってやっと丸太の集積が終わった.....。
小林