07/18/`10 寝袋は上に掛けるだけの朝

どこまでも続く広大な白樺の森...............
林床は斜めから差す朝日で微妙なアンジュレーションを見せている。夏場に2週間以上、放置された草も芝もボーボーでどこから手をつけていいかわからない、というより想像される大変さに完全に心が折れて立ち尽くしていると、気がつくと足元に新兵器と漢字で甲羅に書かれたウミガメくらいの大きさの亀がいる。ウミガメにしちゃ顔というか口がでかいけど、なんだろうと体をかがめて見てみようと甲羅にさわった途端、モーターが始動したような音とウミガメの目が青く光った。その振動にびっくりしているとウミガメは目の前の草ボーボーの林にすべるように滑らかに入って行った。すると、亀のスベリ走った跡は草がキレイに刈られて、そのラインはドンドン伸びて行く。刈った芝もどうやら甲羅の中に清掃車のように圧縮しながら詰め込まれているようだ。林の端から遥か向こう迄行ったかと思うと今度はUターンしてこちらに向かって亀が草食べながらが進んでくる、幅のひろい口に伸びきった草や芝が吸い込まれて行ってるのがよく見える。行ったり来たりしながらもウミガメの体の幅分ライン状にキッチリと芝が刈り込まれている。その広大な白樺の林はしばらく見ているうちにドンドン綺麗になって行く。微妙なデコボコも各シラカバの根元もパクパクと草を刈り込んでキレイになって行く。

振り返るともう一匹の相棒と思われる亀が入れてくれたやや甘いお茶を飲んでいるうちに、なんと場内すべての草刈りと芝刈りが終了していた。

最後のひとラインを刈り終えると、そのウミガメのようなモノは再び自分の足元に来て止まった。目が黄色の光になったら、甲羅が首の付け根でヒンジになっているらしくカパッと開いた。するとメロンパンのような形に圧縮された芝がポンっと吐き出される。

刈り担当とお茶担当の亀にそれぞれ礼を言って、その綺麗すぎる白樺の林を後にした..........。

気がつくと斜面の芝刈りはまだ全然途中。洪水のような汗をかいて、脱水症状だったのか新兵器と勇んで買った道具が大して使えるものじゃあ無かったからか?またしても、白日夢を見てしまった。

夫婦二人で朝から夕方までヘトヘトになっての草刈り。終わっても口をきく事も出来ないしジェスチャーも無理。山仕事関係の皆さんのブログ見てもこの季節は草刈りのトピックが多い。そりゃそうだ、この季節どうしても草刈りの事で頭の隅っこは占領されている。

一体、何歳までこの作業ができるんだろうか?それまでにさっきの夢に出てきた新兵器は売り出されるのだろうか?デザインも概要も夢に出てきたままで構わないからどっかの会社から、すみませんお願いします。

2週間後にまた同じ事を考えているんだろうなぁきっと.......。

小林

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