カミさんと女友達は村内の吾郎山という2000mちょっとのお山に出掛けた..........
残される夫と犬1匹。2人が出掛けるのを見送りながら、頭の中では久々の一人と一匹状態になる解放感でアレよこれよと想像だけが暴走気味。遂に今回、山の秘密を知る時が来るのか?
はやる気持ちを抑えて、手始めに林内にチラホラ出始めたススキというかカヤというか、根をはびこらせると厄介な種類の駆除から始めてみる。これらススキタイプの植物は上の葉っぱだけ、むしってもダメ。根っこが重要な組織で1年で5cmづつ伸びて行くらしい。だから、小さなクワのようなモンで根っこから掘り起こして行く。照りつける太陽、蒸している空気、無風状態で動かない空気。うっすら遠のく意識の中で目の端に見えた、ところどころ林床から伸びるツルたち、なんだアイツらは......。
今年分の間伐を終えたカラマツ林の林床そこらじゅうにに三角の葉っぱを持ったツル草が出始めている。去年の夏休みに78歳の母親が抜いて抜いて抜きまくったツルたちだ。あんなに大量に抜いたのに.......。一年経って、また大量に林床に顔を出している。始めは葉っぱだけ抜いていたけど、根っこを掘り起こすと以外とデカイ。そして、その根っこ部分はイモの様でもある。
山から降りて来たカミさんたちに調査を依頼。画像検索などを経て辿り着いたのは
" イケマ "というアイヌ語源のキョウチクトウ科のツル植物。大きめの根っこを" 神の足 " と称して含有のシナンコトキシンというアルカロイドを薬として使いこなしていたアイヌの人たちの事が書いてある。内地では牛皮消根(ごひしょうこん)と呼び、かつては強心利尿薬として利用されていたらしい。アルカロイドねぇ、クスリとして有益でもあるけど根っこ2つ食べれば重篤な痙攣などを引き起こす両刃の剣。しかし、ここの場内はベニテングといいこのイケマといい、偉大な霊力があると言われている物ばかりが出る。だいたいがカラマツ林の林床全体には "イチヤクベニハナソウ" という止血剤になる薬草が一面に生えているイケマの存在が判明した今、林内は"おクスリ"ばかりって事か。
どうしようかな、"イケマ"ちゃん。
効くって書いてあるんだから、心臓の弱い自分としては試してみたい。根っこ2つ食べるとアブナイって事だから、小さめのを1つだけ、来週きたら試してみるか。9月になったらベニテングも出て来るから、ケツカッチン、さっさと試してみよう。ザッと見渡してみると林床から結構な数のツタが立ち上がっている。その各々のツタの下にデカイ芋の様な根っこが埋まっていると思うと、植物たちの覇権主義による領土拡大への思いの強さに大変な連中だなと改めて思う。
まぁ、でもアイヌの民の崇めていた植物が沢山生息している山中に居るのも悪い気がしない、秩父山塊の山ん中。
(小林)
追記
ゲート3カ所設置終了
鹿柵、製作ほば終了か