仕事場に居る.........。
川上村に在住の人のブログに載ってる写真みて余りの紅葉具合にモニターに向かってタメ息ばかり。その写真に写る現地ではカラマツの黄色と落針葉の薄茶が混ざった"川上ゴールド"にそろそろなって来ている。"八ヶ岳ゴールド"と八ヶ岳の人は言うだろうが川上村だって負けずに黄金色になる。
しかし、このゴールデンな季節の週末を前に先日買ったウチの車は、都心のビル駐車場内でパンッという音とともに、不凍液を全部吐き出して動かなくなった......、ひょっとして週末川上村に行けないって事?えっ、最高にキレイな景色の時に.....
だから、こうして東京の仕事場で来週から始まる展示会の準備に忙しそうなスタッフを横目に見ながら、紅葉を伝える他人のブログ写真を見てはタメ息出している。床では犬がこれまた不満そうな態度。まぁ、いいやと細かい事案の指示や確認をしながら先日、買った雑誌を一冊、手に取って読みはじめた。
買った雑誌の名前は "アルプ" と言って昭和33年創刊の300号続いた文芸方向登山景色寄り、といった風な"山の雑誌"
以前から存在は聞いていたけどペラペラ見るだけで古臭そうだし、写真も少ないどの号が面白いのか見当もつかず、背表紙の幅の狭いのが列んでいてもイチイチ見る気にもならなかった。
近年ハマっている辻マコトさんが、連載されていたのもこの雑誌。だから何号かは判らなかったけど辻マコトの特集号があると聞き、ちょっと興味が湧いていたその矢先に、創刊号から終刊号まで300冊揃いで売っていたのを発見して、即購入。
届いた300冊の段ボールを開けるとぎっしりと薄い本が詰まっている、中に何冊か厚いのもある。創刊号を手に取って見はじめるけど、何がどこにがわからず手がかりを掴めずにいると、最後の300号の後半に総目次がついていた!
いくつか出ていた特集号の名前を追ってページをめくると、あった!ありました、辻まこと特集。218号目だったんだ、道具特集もある。特集 道、特集 雨、特集 峠なんてのもある。辻まこと特集だけ先に見たら急がずゆっくり、ちょっとだけづつ、見て行く事にしようと思っている。60歳過ぎたあたりまでにゆっくり300冊読み終えれば、いい暇つぶしになる ........。
山の雑誌だけどルート案内などの実用記事は無いので、具体的な情報のズレによる価値の半減は感じない、もっと山に居る時の感情を通した、景色や道中の話が多い、そして広告はない。(暮しの手帖と同じだ、すばらしい)
終刊号の総目次掲載といい、1〜300号の仕舞い方が流石。発行人串田孫一の粋な仕事を見る事ができる。
(小林)